横山FIRST活動サマリ
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10 「2002年から稼働を始めた産業技術総合研究所のスーパークリーンルーム産学官連携研究棟(SCR、写真1)では、これまで最先端半導体技術、特に微細化による高性能化の研究を実施してきました」と産総研の金山敏彦理事(写真2)は話す。 特に、2006年からは、経済産業省の「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」の第Ⅲ期が立ち上がる。それまで産総研などが中心に取り組んでいたMIRAIプロジェクトであったが、半導体メーカーが中心となって1996年に設立した半導体先端テクノロジーズ(Selete)がSCRを拠点としてMIRAIプロジェクトⅢ期に参画した。つまり、このとき以降、産総研のSCRの施設を使って、産総研と半導体業界の産官連携の研究体制が本格的に始まった。 「しかし、その当時から日本の半導体メーカーの国際競争力が弱くなってきており、産総研では次世代の半導体研究はどうあるべきなのか、を模索していました」産業技術総合研究所の「連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター(GNC)」は、横山FIRSTの課題「グリーン・ナノエレクトロニクスのコア技術」を実施する組織として設立された。参画企業の研究員が産総研に出向して、出身組織の垣根を越えて研究開発に取り組んだ。また、横山FIRSTは、世界的なナノテクノロジー研究拠点形成を目指している「つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)」で実施する国家プロジェクトの一つとして存在感を示した。連携研究体GNCとTIA-nano専門組織と新連携体制が横山FIRSTの成果を支えたと金山理事は続ける。 「その解として、超低消費電力技術の開発に取り組むべきなのではないかという議論が2008年ごろからありました」と、横山FIRSTの研究支援統括を務める産総研つくばイノベーションアリーナ推進本部の岩田普審議役(写真3)は語る。産総研は支援機関だけでなく研究実施組織GNCを設立した ちょうどそこに、内閣府のFIRSTが2009年から始まり、半導体業界の支援を受けた富士通研究所の横山直樹フェロー(当時)を中心研究者とする「グリーン・ナノエレクトロニクスのコア技術開発」が課題の一つとして採択された。産総研だけではなく、半導体業界も大規模集積回路(LSI)の消費電力を下げる技術が、日本の半導体メーカーの国際競争力を強化できると認識していたのである。 「FIRSTには、中心研究者を支援する研究支援機関を公募し選定するというユニークな制度がありました。そこで、LSIの超低消費電力の研究を模索していた産総研は、横山FIRSTの研究支援機関として名乗りを上げたのです」と岩田審議役は語る。 産総研は研究支援機関として活動するだけでなく、SCRを活用することで横山FIRSTの研究拠点としての役割も果たせることから、2010年4月に横山FIRSTを実施する組織として「連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター(GNC)」を設置した。 GNCの特徴は、横山FIRSTで実施する三つのサブテーマ全てで、産総研の研究員と半導体メーカーなど企業から来た研究員が参加して一緒に研究すること。図1 横山FIRSTの体制と産業技術総合研究所グリーン・ナノエレクトロニクスセンター(GNC)産業技術総合研究所研究連携海外研究機関高輝度光科学研究センター物質・材料研究機構奈良先端科学技術大学院大学東京工業大学東北大学九州大学慶應義塾大学東京大学京都大学名古屋大学研究員兼務既存研究組織研究員出向研究員出向委託研究委託研究委託研究アルバック東芝日立製作所富士通ルネサスエレクトロニクスグリーン・ナノエレクトロニクスセンター(GNC)連携研究体長:横山直樹(FIRST中心研究者)

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