横山FIRST活動サマリ
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45FIRSTプログラム成果報告 ◎ バックエンドデバイス米国で物理学博士号を取得したポール・フォンス氏は、1990年にイリノイ大学から筑波大学に着任した。それから2年後に産業技術総合研究所の研究員になった。 「研究テーマと快適な研究環境に恵まれ、まさに居ついてしまった」 基礎研究と応用研究が混ざっているテーマが産総研には多いことが、フォンス氏にとっては楽しい。社会の役に立っているのが日々感じられるため、いつも応用の見える研究を手掛けられる。最初は、光学関係のフォトルミネセンスや太陽電池の解析などをしていたが、周囲にX線吸収の研究者がいなかったために、今度はX線回折を長い間研究することになった。 X線回折では結晶とアモルファスの違いがはっきりと出るため、相変化メモリの解析も実施してきた。超格子ではない結晶とアモルファスとの変化もX線で観察できる。結晶は回折するが、アモルファスは回折しない。また、アモルファス周囲の近接原子も観察できるため、メモリの変化状況を知ることができる。 結晶材料解析は、SPring-8(兵庫県佐用町)で非破壊のX線構造解析をしている。100nmのビーム径でミラー光学系を利用してGe(ゲルマニウム)の動きを直接見る。 X線の入射エネルギーを変えながら分光強度を見るものだが、化学状態によって分光強度が異なるため、場所を100nmずつスキャンしながらGeの移動場所を特定していく。この観察法を相変化メモリに適用すると、干渉パターンの違いによって超格子内のGeの移動を検出できる。 相変化メモリの大きな問題が明らかになったときに、相変化メモリの低消費電力化を目指し、富永グループリーダーと超格子材料の開発を始めた。さまざまな実験を行っていると、今度はトポロジカル絶縁体の超格子構造の物性の研究へとつながり、ますます研究が面白くなってきた。 同時に「研究の成果が社会の役に立っているから、その様子が見られる日本にずっといる。つくば市での暮らしは快適だ」と言う。ポール・フォンス産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門相転移新機能デバイスグループ 上級主任研究員「快適な研究環境のおかげで      つくばに居ついてしまった」外国人研究者の声図4トポロジカル絶縁体は磁界に大きく反応する

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