横山FIRST活動サマリ
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委託研究成果  奈良先端科学技術大学院大学  東北大学49 私たちは、産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター佐藤信太郎博士の「ナノカーボンの合成とトランジスタ・配線応用」研究の一環として、アセンナノリボン合成のためのアセンユニットの合成開発を行った。 2010年Cai, Rueuxらによりアントラセンを基板上で加熱しラジカル反応で連結/縮環する手法が提案された(Nature, 2010, 466, 470-473)。本手法を高次アセンナノリボン合成に適用するために、難溶・不安定な高次アセンを熱や光で脱離可能な保護基で保護し、真空チャンバー中で脱保護と同時に重合させる方法を提案した。本研究ではペンタセンおよびペンタセンダイマーの熱変換可能な前駆体を合成するとともに(図上)、熱重量分析を行い、ペンタセンダイマーでは250℃付近で前駆体からの変換が起きることを確認した(図下)。また光変換可能なノナセンの骨格形成に成功し,現在最終段階の反応条件を引き続き検討中である。 次世代の大規模集積回路(LSI)は、トランジスタの高密度集積化およびゲート絶縁膜薄膜化によるリーク電流の増大によって、発熱が極めて大きくなる。 LSIを定格通り動作させるためには発生する熱の効率的な排熱が必要である。銅(Cu)やアルミニウム(Al)などの金属材料は、熱伝導率は大きいが伝導性のためSi基板下部に用いる放熱板には向かない。 私たちは、熱伝導率が大きく、かつ絶縁体であるダイヤモンドに着目した。 ダイヤモンドのヒートシンクはこれまでも着想があったものの、ダイヤモンドを低コストで大量生産する技術が無く、民生品には実用化されていなかった。最先端研究開発支援プログラムで開発された光電子制御のプラズマ化学気相成長(CVD)装置を用いて、低消費電力で高速なダイヤモンド薄膜成長技術の開発を目的とした。 光電子制御プラズマCVDは基板に紫外線を照射し、基板から放出された光電子を用いて直流放電プラズマを維持する手法である。光電子の影響で、放電開始電圧よりも低い電圧でも安定的なプラズマを維持できる。放電電圧が低いため、基板に衝突するイオンのエネルギーを制御することが可能となる。ダイヤモンドのCVD成長では、ダイヤモンド表面を終端している水素をいかに除去するかが重要な要素である。 これまでのダイヤモンド成長では、それを熱エネルギーとして再利用するため、成長温度は1000℃程度となり、加熱のために莫大なエネルギーを必要とした。光電子制御プラズマCVDでは基板に衝突するプラズマ中のイオンのエネルギーを制御できる。そのため、イオン衝突による水素脱離を促進させ、550℃程度の低温でもダイヤモンド成長が可能である。 Si基板上に熱フィラメントCVD法でダイヤモンドの種結晶を作製し、その後に光電子制御プラズマCVDでダイヤモンド薄膜を成長させた。このときの基板温度は550℃、消費電力は数W以下である。熱CVDによるダイヤモンド成長領域では結晶粒が小さく、またラマンスペクトルでもグラファイト由来のピークが観察されている。一方で光電子制御プラズマCVDでは結晶粒径が増加し、ラマンスペクトルもグラファイト由来成分がほとんど消失している。以上のように、光電子制御プラズマCVDは低温・低消費電力でダイヤモンド薄膜を合成するのに有用な手法である。有機化学合成によるナノカーボン材料形成に関する研究光電子制御プラズマCVDによるダイヤモンド薄膜の低温・低電力合成奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 山田容子教授東北大学多元物質科学研究所高桑雄二教授ペンタセンダイマーの合成ルートOOBrBrOOBrBrArAr1; LAH2; 6 M HCldry-THF1; LAH2; 6 M HCldry-THF1; LAH2; 6 M HCldry-THFOdry-pyridinepiperidineF2SO47H2Opyridine-N-oxidedry-THF1; DIBAL2; 6 M HCldry-THFNBSdry-THFNBS66%80%31% in 2steps19%22%45% in 2stepsArLidry-THF68% for a55% for b50% for cNaIdry-THF67%Na2H2PO2H2OAcOHCF3CF344%28%abcAr =ペンタセンダイマー前駆体の熱分析と得られたペンタセンダイマーのX線結晶構造 Figure S23. TG analysis of 8d. The weight loss from 150 to 300 °C was due to the releaseArArArAr0‒5‒10weight loss / %‒15100150200T/ ℃250300350400

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