研究内容

低電圧動作CMOS

[サブテーマリーダー:金山敏彦 (産総研)]

低電圧動作CMOSグラフ

LSI内部では、回路を構成する多数のMOSトランジスタ(MOSFET)をオン、オフさせることで、デジタル信号が処理されています。その際、出来るだけ速く、かつ正確に動作させるためには、個々のトランジスタのオン状態で流れる電流(ION)を大きく、オフ状態で漏れ出る電流(IOFF) を小さくすることが必要です。本サブテーマでは、十分低いIOFFと、十分高いIONを確保するのに必要なゲート電圧Vddを下げることで、LSIの消費電力を従来の1/10以下にすることを目指します。このために、次の2つの研究開発を行っています。

(1)MOSFETに新しい材料や構造を用いることで、同じゲート電圧でも流れる電流を多くする。
(2)新しい動作原理のトランジスタを開発することで、電流オフの切れを良くする。

1.1 新材料・新構造CMOS技術の研究開発

[研究分担者:手塚 勉 (東芝)]

新材料・新構造CMOS技術の研究開発

MOSFETでは、キャリア(電子・正孔)の移動度が大きいほど、少ない電圧で多くの電流が流れます。InAsなどのIII-V族化合物半導体は、電子の移動度がSiの20倍以上、Geは正孔の移動度がSiの4倍以上と、多くの電流を流す能力があります。このような高移動度チャネルを用いた、低電圧で動作するMOSFETと、これらをLSIに適用して消費電力を低減するための要素技術を開発しています。

1.2 新動作原理CMOSデバイスの研究開発

[研究分担者:太田 裕之 (産総研)]

新動作原理CMOS

CMOS-FETでは、閾値電圧以下の電流の立ち上がりを急峻にすることができれば、動作電圧を低減することが可能となります。そのためには従来のCMOS-FETの動作原理を見直す必要があります。そこで、トンネル効果や雪崩降伏作用などの新しい動作原理を取り入れることで、トランジスタの動作電圧を低減し、消費電力の低いLSIの実現に向けた、基盤技術の開発を行っています。